RADWIMPS「me me she」の歌詞の意味を考察! 今度は僕が待つ。20RADWIMPS「me me she」歌詞解釈:君がいない2085年で、僕は一体何を待つのだろう。85年まで

歌詞分析

こんにちは!今回は、RADWIMPSの「me me she」の歌詞を解釈します。タイトルに隠された意味と、壮大な時間軸で語られる愛と感謝の物語を紐解いていきましょう。

 

今回の謎

 

この歌を聴くたびに、心に浮かぶいくつかの問いがあります。

  1. タイトル「me me she」とは、一体どういう意味なのだろうか?単純な単語の羅列に隠されたメッセージとは?

  2. 「me me she」というタイトルが示す関係性の中で、なぜ僕は「2085年まで待ってる」と宣言するのか?その数字の意味は?

  3. この歌は、ただの失恋や別れの歌なのだろうか?最後の「この恋に僕が名前をつけるならそれは『ありがとう』」という言葉の真意とは?

これらの謎を解き明かすことで、この楽曲が持つ本当の深さが見えてくるはずです。

 

歌詞全体のストーリー要約

 

この楽曲は、一つの恋の終わりから、壮大な愛の物語へと昇華していく過程を描いています。

最初はただ別れを悲しむ「女々しい」僕が、君との関係性を見つめ直す中で自分自身を再発見し、最終的には未来への希望と感謝へと辿り着く。そんな感動的な成長の物語が描かれています。

 

登場人物と、それぞれの行動

 

  • : 主人公。君との別れをなかなか受け入れられず、悲しみに暮れている。しかし、君という存在が自分自身を形成し、救ってくれたかけがえのないものであったと気づく。その結果、君の存在を自分の中に永遠に刻み込み、未来で待つという新たな、そして強固な決意を固める。

  • : 僕の元を去っていった存在。かつて「100歳までよろしくね」という約束を僕とした。物語の中では不在だが、僕という人間を「造った」張本人であり、彼の人生観そのものに深く影響を与え続けている、極めて重要な人物。

 

歌詞の解釈

 

それでは、歌詞の言葉を一つひとつ丁寧に追いながら、この深く、そして美しい物語の世界に浸っていきましょう。

 

「me me she」というタイトルの意味(謎1への答え)

 

まず、この奇妙なタイトルから解き明かしていきましょう。「me me she」。

これは、英語の代名詞「me(僕)」と「she(彼女)」を並べたものですが、真ん中に一つ、余分な「me」が存在します。これは何を意味するのか。

多くのファンやリスナーが指摘するように、これは日本語の**「女々しい」**という言葉に掛けた、RADWIMPSらしい言葉遊びであると考えるのが最も自然でしょう。

つまり、この物語は**「me(僕)」と「she(彼女)」の二人の関係性を描くと同時に、その別れをいつまでも引きずり、うじうじと悩み、過去に囚われてしまう「女々しいme(僕)」**という、もう一人の主人公の存在を示唆しているのです。このタイトルは、楽曲全体のテーマと主人公の心象風景を、見事に一言で表現しています。

 

終わった恋、僕の後悔と君の不在

 

物語は、痛烈な後悔の言葉から始まります。

「僕を光らせて君を曇らせた」

この恋は、僕にとっては自分に自信を与えてくれる「光」だったけれど、その一方で、君には我慢や無理をさせ、心を「曇らせて」しまっていた。そんな自己中心的な恋愛だったのではないか、という自責の念が滲みます。

そんな後悔があるから、君を嫌いになんてなれない。「君の嫌いになり方を僕は忘れたよ」。忘れた、というよりも、そもそもそんな方法、知りもしなかった。嫌いになれたら、どれだけ楽になれるだろう。そんな苦しい胸の内が吐露されます。

別れという事実だけを突きつけられても、どうやってこの悲しみを乗り越え、どうやって他の誰かを愛せばいいのか、見当もつかない。まるで人生の迷子になってしまったかのよう。しかし、直後に「だけどほんとは知りたくないんだ」と続く。この矛盾こそが、彼の本心。まだ君を忘れたくない、この恋の終わりを認めたくないという、強い執着が「女々しい僕」の姿を浮き彫りにします。

 

101年目の絶望と、ごねる心

 

そして、RADWIMPSならではの、ユーモアと悲しみが同居したフレーズが飛び出します。永遠に続くかのように思えた、無邪気で壮大な約束。それが破られ、二人の関係が終わってしまった現実を「101年目」と表現するセンス。あまりにも早すぎる終焉に、彼はただ打ちひしがれています。

理屈では別れを理解しなくてはならないと分かっている。でも、感情がまったく言うことを聞かない。まるで子供のように駄々をこねる心。まさにタイトルが示す「女々しい」僕の姿が、ここに描かれています。

 

君こそが、僕を「造った」創造主だった

 

しかし、歌はここから劇的な転回を迎えます。ただ悲しむだけだった僕が、ふと、自分自身の根源へと目を向けるのです。

なぜ、僕はこんなにも君に執着し、苦しむのか。

その答えは、衝撃的な気づきと共に訪れます。僕という人間を「造ってくれたのは」、そして絶望から「救ってくれたのは」、親でも、神様でもない。

「残るはつまり ほらね君だった」

これは、とてつもなく大きな発見です。君との恋は、単なる人生の一ページなんかではなかった。僕の価値観、性格、世界の色の見え方、そのすべてが、君という存在を通して形作られていた。君は、僕という人間の「創造主」であり、「救世主」だったのです。

だから、君を失うことは、自分という存在そのものの一部、いや、大部分を根こそぎ失うことに等しい。彼の途方もない喪失感の正体が、ここで明らかになります。

このような他者との関係性を通じて自己が形成されていく様は、大森元貴の「こたえあわせ」で描かれる、人生の様々な場面で出会う人々との答え合わせの中で自分の輪郭を知っていく過程とも深く響き合います。

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2085年の約束と「君の遺伝子」(謎2への答え)

 

君が僕の創造主である、という気づきは、彼の思考をさらに未来へと、時空を超えた領域へと導きます。

僕が例えば他の人と結ばれたとしても、その子供の中にもきっと、君の遺伝子が紛れ込んでいるだろう。

もちろん、これは生物学の話ではありません。僕というOSが君によってプログラムされている以上、僕から生み出されるもの(子供)には、必然的に君という存在の影響(=遺伝子)が組み込まれているはずだ、という精神的な継承のビジョンです。君は僕の肉体から消えても、僕の血脈の中に、精神の中に、永遠に生き続ける。この確信が、彼を絶望の淵から救い上げます。

そして、彼は宣言します。

「暇つぶしがてら2085年まで待ってるよ」

なぜ、2085年なのか。ここに謎2の答えがあります。この曲がリリースされた2006年当時、作者である野田洋次郎氏は20歳でした。彼が、君との約束通り「100歳」になる年、それが西暦2085年なのです。

つまり、これは**「君が僕としてくれた『100歳までよろしく』という約束、僕は僕でちゃんと守るよ。だから、僕が100歳になるその未来で、君のことを待っている」**という、破られた約束を自らの手で再生させる、壮大で新しい約束の宣言なのです。

 

「ありがとう」という名の恋(謎3への答え)

 

ここから、物語は感動のクライマックスへと突き進みます。

「今度は僕が待つ番だよ」

これまでの受動的で「女々しい」僕から、未来を能動的に「待つ」ことができる、強い僕へと成長を遂げた瞬間です。

「君が生きていようとなかろうと」という言葉は、この別れがもしかしたら死別である可能性さえ示唆し、彼の決意の固さを物語ります。それでも待つ。なぜなら、それが「はじめて笑って言えた約束」だから。過去の約束は君から与えられたものだったけれど、今度の約束は、僕が自らの意志で、笑顔で誓うものだからです。

そして、彼は「さよなら」と共に「ありがとう」と「ごめんね」を君に送ります。僕を光らせ、僕を造ってくれたことへの「ありがとう」。君を曇らせ、傷つけてしまったことへの「ごめんね」。この二つが揃って初めて、この恋は僕の中で美しく完結するのです。

君を愛すること、そしてそんな素晴らしい君から愛されていたという事実が、僕の自己肯定感の礎となっていた。君のおかげで、僕は初めて自分自身を愛することができた。この気づきは、クリープハイプの「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」で描かれる、大切な人の心の痛みに最後まで気づけなかった後悔とは対照的に、君が与えてくれたものの大きさに「気づけた」ことによる救いの物語と言えるでしょう。

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だから、この物語の結論はあまりにも美しい。

「この恋に僕が名前をつけるならそれは『ありがとう』」

この恋は、もはや「悲しみ」や「後悔」という名前の箱には収まらない。僕という人間を存在させてくれた君への、限りない感謝。これこそが、この歌が単なる失恋ソングではなく、時を超えた愛と感謝の物語である理由であり、謎3への答えなのです。

 

歌詞のここがピカイチ!:「遺伝子」という比喩の深さ

 

恋人との別れの後も、相手の影響が自分の中に色濃く残る、というテーマ自体は決して珍しいものではありません。しかし、その影響を「遺伝子」という言葉で表現した点に、この歌詞の圧倒的な独創性があります。それは単なる「思い出」や「口癖」といった表層的なレベルではなく、もっと根源的で、抗いようのないレベルで「君」という存在が自分に組み込まれている、という感覚を見事に言い当てています。さらに、その「遺伝子」が未来の子孫にまで受け継がれていくかもしれない、という壮大な発想は、二人の恋が決して過去のものではなく、時を超えて永遠に続いていくという、切なくも美しいロマンを私たちに感じさせてくれます。

 

モチーフ解釈:「約束」の変容

 

この歌詞において「約束」は、物語の進行とともにその意味を劇的に変化させる、非常に重要なモチーフです。物語の序盤では、君から与えられた「100歳までよろしくね」という、無邪気で、そして結果的に破られてしまう儚いものとして登場します。それは僕を悲しませ、過去に縛り付ける鎖のようにも機能します。しかし、物語の終盤、僕は自らの意志で「2085年まで待ってる」という、まったく新しい約束を打ち立てます。これは、誰かから与えられた受動的なものではなく、僕が未来に向かって自発的に、笑顔で誓う能動的な約束です。過去の約束の呪縛から解放され、それを未来への希望へと自らの手で昇華させた瞬間。この「約束」の劇的な変容こそ、タイトルにも示された「女々しい」僕が、強く主体的な人間へと成長を遂げた何よりの証左なのです。

 

他の解釈のパターン

 

 

パターン1:恋人との「死別」の歌

 

この歌を、恋人との「死別」の物語として解釈すると、歌詞の一つひとつがより一層切実な響きを帯びてきます。「101年目がこんなに早くくる」という表現は、予期せぬ突然の死を、「君が生きていようとなかろうと」というフレーズは、その事実を直接的に示唆していると読めます。この場合、「さよならと一緒に教えて欲しかった」という嘆きは、愛する人の死をどう受け止めていいかわからない、遺された者の途方もない悲しみの叫びとなります。そして、「2085年まで待つ」という誓いは、僕も君との約束通り100歳までこの世を生き抜き、天国か、あるいは来世か、時を超えたどこかの場所で必ず君と再会するという、壮大な愛の約束へと変わります。最後の「ありがとう」も、君がこの世に生きていてくれたこと、僕と出会ってくれたことそのものへの、万感の思いが込められた祈りの言葉として、私たちの胸に深く響くでしょう。

 

パターン2:過去の自分との決別と和解

 

この歌に登場する「君」を、かつての恋人ではなく、「理想に燃えていた過去の自分自身」や「何かに依存していた弱い自分」のメタファーとして解釈することも可能です。若い頃に立てた「100歳までよろしくね」という理想の自分との約束。しかし、現実は厳しく、理想は崩れ去ります(=君との別れ)。「僕を光らせて君を曇らせた」とは、理想ばかり追い求めて現実の自分を蔑ろにしていた状態かもしれません。「造ってくれたのは君だった」という気づきは、そんな青臭い理想があったからこそ、今の自分が形成されたという自己分析。「2085年まで待つ」という宣言は、すぐに理想には辿り着けないけれど、人生の最終盤までには必ず理想の自分になってみせる、という未来の自分自身との固い約束です。そして最後の「ありがとう」は、今の自分を形作ってくれた、不器用で、しかし純粋だった過去の自分自身への、感謝と和解の言葉として読むことができるのです。

 

歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト

 

肯定的

光らせて, 夢, 教えて, 約束, よろしくね, 造ってくれた, 救ってくれた, 結ばれた, 命が宿った, 遺伝子, 待ってるよ, ありがとう, 笑って, 綺麗だね, 好きな君, 好きな僕, 大切に思えたよ

否定的

曇らせた, 重荷, 嫌いになり方, 忘れた, 見当たらない, さよなら, 破り方, 知りたくないんだ, ごめんね, ごねるの, いないなら, つまらない, 生きていようとなかろうと, 悲しいね, 見え透いた

 

単語を連ねたストーリーの再描写

 

君との約束が破られ、僕はごねる。

でも僕を造り、救ってくれたのは君だった。

君の遺伝子を胸に、今度は僕が待つ番だ。

この恋は悲しいけど、最後に「ありがとう」と言わせて。

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