CUTIE STREET「ちきゅーめいくあっぷ計画」歌詞考察|日常の”なんてこったぁ”も全部「Kawaii」に変える、ウチらの壮大な作戦とは。

歌詞分析

こんにちは!今回は、CUTIE STREETのデビュー曲「ちきゅーめいくあっぷ計画」の歌詞を解釈します!日常の失敗も、落ち込む気持ちも、全部「Kawaii」の魔法で塗り替えていく、最強の自己肯定アンセムを紐解いていきましょう。

 

今回の謎

 

  1. 「ちきゅーめいくあっぷ計画」とは、具体的にどのような計画なのでしょうか。なぜ個人のメイクの話から、スケールが大きな「地球」のメイクアップへと繋がるのでしょうか。

  2. サビで「マストアイテム」と歌われる「愛」とは、一体どのような役割を果たすものなのでしょうか。そして、なぜそれは市販の「メイクレシピにゃ載ってない」のでしょうか。

  3. 1番の歌詞で延々と描かれる、服を汚したり、電車に乗り遅れたりといった、数々の「あるある」な日常の失敗は、この楽曲のテーマとどのように関係しているのでしょうか。

 

歌詞全体のストーリー要約

この楽曲は、誰もが経験するような日常の小さなアンラッキーや失敗談をユーモラスに列挙することから始まります。しかし、そんなドジな部分も含めて「ウチら」なのだと全面受容し、「kawaii maker」として自分たちを磨き続けると力強く宣言します。その原動力となるのが「愛」というマストアイテム。最終的に、そのポジティブなエネルギーを自分たちだけに留めず、世界中に伝播させ、地球まるごとを「Kawaii」で満たそうという壮大な計画へと繋がっていく物語です。

 

登場人物と、それぞれの行動

 

  • ウチら(CUTIE STREET):

    この曲の主人公たち。日常の小さな不運に「ナンデヤネンツ!」とツッコミを入れながらも、それをパワーに変えていく、ポジティブでパワフルなグループ。自分たちを「kawaii maker」と称し、「愛」を胸に、日々「Kawaii」を追求する鍛錬を続けている。

  • 君:

    「ウチら」の計画に巻き込まれる、この曲のリスナーやファン。「ウチら」と一緒に未来を見て、世界をにぎわせる大切な仲間。彼女たちの本気の「愛」を受け取る覚悟を求められる存在。

 

歌詞の解釈

 

 

はじめに:「なんてこったぁ」だらけのリアルな日常(謎3への答え)

 

楽曲は、「ちきゅーめいくあっぷ計画」という、とてつもなく壮大なタイトルの宣言から始まります。一体どんなグローバルな話が始まるのかと思いきや、Aメロで描かれるのは、その期待を気持ちよく裏切る、あまりにもリアルで共感しかない日常の失敗談のオンパレード。

新しい白いワンピースにチョコをこぼす、目の前で電車が発車する、テスト前なのに掃除がはかどってしまう、欲しいものだけがピンポイントで売り切れている…。誰もが「あー、わかる…」と思わずにはいられない、「なんてこったぁ」な瞬間の数々。

ここで、最初の謎である謎3「なぜ日常の失敗談が描かれるのか」の答えが見えてきます。これは、「Kawaii」という概念が、完璧な人間や、キラキラした非日常の中だけに存在するものではない、というこの曲の核となるメッセージを伝えるための、非常に巧みな布石なのです。

ドジで、計画性がなくて、うまくいかないことだらけ。そんなネガティブに見える側面や、等身大の自分たちの姿を隠すことなく提示し、それらすべてをひっくるめて「ウチら」なのだと肯定する。 この自己開示と受容から、この壮大な計画はスタートするのです。

 

私たちは「kawaii maker」!愛という最強のアイテム(謎2への答え)

 

そんな共感しかない失敗談の後、サビで彼女たちは高らかに宣言します。「ウチらはね kawaii maker たんれんだ!」。

失敗する私たち。うまくいかない私たち。それでも、私たちは「Kawaii」を創り出す存在(maker)であり、そのために日々鍛錬しているのだ、と。この転換が、この曲の持つ圧倒的なポジティブパワーの源泉です。

そして、その鍛錬に欠かせないのが「マストアイテム 愛」。ここで謎2の答えが明らかになります。

この「愛」とは、特定のコスメやファッションアイテムのことではありません。それは、①どんな自分でも受け入れ、好きになる「自己愛」、②一緒に頑張る仲間への「友情」、そして③うまくいかない日常やドジな自分すらも「面白い」と笑い飛ばす「ユーモアの心」。そういった、内面から湧き出るエネルギーのことです。

だからこそ、それは「メイクレシピにゃ載ってない」。誰かに教わったり、お金で買ったりするものではなく、自分自身の心で育んでいくものだからです。2番ではこの「愛」が「心のコーティング剤」とも歌われ、外からの批判や自己嫌悪から心を守る、強力なバリアの役割も担っていることがわかります。

 

「ちきゅーめいくあっぷ計画」の本当の意味(謎1への答え)

 

楽曲は、仲間である「君」を「一緒に未来 見ゆー?」と誘い、自分たちはダイヤのように輝くために努力を続けると約束します。そしてブリッジで、この計画の本当の意味が、優しく、そして力強く語られます。

ここで、最後の謎である謎1「ちきゅーめいくあっぷ計画とは何か」が解き明かされます。

この計画は、物理的に地球にチークを塗ったり、アイラインを引いたりすることではありません。

それは、この地球上にいるすべての人々が、どんな自分であっても、その存在を「Kawaii」と肯定できるようになること。 鏡を見るのも嫌なほど落ち込んでいる日も、自信がなくて思わずメイクを濃くしてしまった日も、その行動の根底には「もっと素敵になりたい」「可愛くなりたい」という、純粋で切実な「まごころ」がある。その気持ちに気づき、認め、肯定し合う。その輪を広げていくことで、世界全体をネガティブな空気から、ポジティブで自己肯定感に満ちた「Kawaii」の空気で満たしていこう、という壮大で、愛に溢れた計画なのです。

 

歌詞のここがピカイチ!:「鏡やな日 笑えない日も」を肯定する優しさ

 

多くのアイドルソングが、聴く人に元気や笑顔を与えることを目指し、キラキラした理想像を歌います。しかし、この楽曲の本当に素晴らしい点は、「鏡やな日(鏡を見るのが嫌な日)」や「笑えない日」といった、人が最も弱っている瞬間を、真正面から取り上げていることです。そして、それを「ダメなこと」と否定するのではなく、「それも『かわいいへのまごころ』なんだよ」と、どこまでも優しく包み込み、肯定してくれる。この徹底した寄り添いの姿勢こそが、この曲を単なる元気ソング以上の、深い共感を呼ぶ人生のアンセムへと昇華させているのです。

この姿勢は、同グループの「かわいいだけじゃだめですか?」で描かれる、Kawaiiを武器に生きていくという強い決意とも通じますね。

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モチーフ解釈:「メイクアップ(make up)」

 

この歌詞のタイトルにもなっている「メイクアップ」という言葉は、非常に多層的な意味を持つモチーフとして機能しています。

  1. 化粧する(Make up one’s face):

    文字通り、コスメを使って自分を可愛くすること。自信を持つための手段。

  2. 作り上げる(Make up a story):

    自分たちの手で「Kawaii」の価値観を新たに作り上げ、世界に発信していくこと。

  3. 補う(Make up for a loss):

    日常の失敗や、自分の欠点、落ち込んだ気持ちを、「Kawaii」の力で補い、ポジティブに転換すること。

  4. 仲直りする(Make up with someone):

    「鏡やな日」の落ち込んだ自分自身と和解し、受け入れること。

このように、「メイクアップ」という一つの言葉に、自己肯定の様々なプロセスが凝縮されています。顔をメイクするように、自分の気分を上げ、失敗を乗り越え、自分自身と仲直りし、そして最終的には「ちきゅー」全体をポジティブな状態に「メイクアップ」していく。この多義性が、楽曲のテーマをより豊かにしているのです。

 

他の解釈のパターン

 

 

パターン1:現代の「Kawaii」カルチャーへの宣戦布告説

 

この曲を、ただ乗りかかっていくだけでなく、現代の「Kawaii」カルチャーそのものをアップデートしていこうという、一種の宣戦布告として解釈することもできます。Verse 1で描かれるドジや失敗は、SNSなどで見られる完璧に作り込まれた「Kawaii」へのアンチテーゼ。「ウチらが作るKawaiiは、そんな表面的なものじゃない」という主張です。「愛」という内面的な要素をマストアイテムとすることで、外見至上主義的な風潮にカウンターを当てています。「キャットストリートからきゅ一すとへと新しい道を繋げよう」というフレーズは、既存のカルチャーの中心地(キャットストリート)をリスペクトしつつも、そこから自分たちの新しい「Kawaii」の道を切り開いていくという、強い意志表明と読むことができます。

 

パターン2:アイドルとしての所信表明とファンへのラブソング説

 

この歌詞全体を、CUTIE STREETというグループ自身の、アイドルとしての活動理念、そしてファンへの愛を歌ったものだと解釈する見方です。この場合、「ウチら」はCUTIE STREETメンバー、「君」はファンのことを指します。Verse 1の失敗談は、彼女たちも完璧なアイドルではなく、ファンと同じように悩み、失敗する等身大の存在であることを示す、親近感の表明です。「ダイヤ磨くからさ」はアイドルとしてのパフォーマンスを磨き続けるというファンへの約束。「ちきゅーめいくあっぷ計画」とは、彼女たちのアイドル活動そのものであり、歌やダンスを通して、ファン(君)と一緒に世界を元気に、笑顔にしていくという目標そのもの。「だいすきやで」というストレートな言葉は、ファンへの偽らざるメッセージと受け取れます。この解釈では、この曲はファンとの絆を歌う、極上のラブソングとなるのです。

この、ファンに「かわいい」と言われたい、認められたいという気持ちは、FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」のテーマとも深く共鳴しますね。

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歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト

 

  • 肯定的なニュアンスで使われている単語:

    さらぴん、はかどる、かわいい、まごころ、あいことば、デコっちゃお、受け取る覚悟、だいすきやで、kawaii maker、マストアイテム、愛、ちゅぅもく、世界はばたく、イエーーーーーーーーイ、未来、ダイヤ磨く、笑み look、プッシュ、心のコーティング剤、にぎわす、絶対、新しい道、繋げよう、集中力

  • 否定的なニュアンスで使われている単語:

    こぼした、さようなら、2時、売り切れ、なんてこったぁ、めんどくさい、カロリーぶちこんだ、風邪引いた、流された、鏡やな日、笑えない日、メイク濃ゆくしてみた日、てんぱる

 

単語を連ねたストーリーの再描写

 

「なんてこったぁ」な日も、「鏡やな日」も、

「ウチら」は「kawaii maker」。

「マストアイテム」は、自分と仲間を信じる「愛」。

さあ「君」と一緒に「ちきゅー」を「デコっちゃお」。

この「かわいいへのまごころ」、受け取る覚悟決めな!

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