こんにちは!今回は、自己肯定感あふれる「かわいい」がテーマのこの歌詞を読み解き、その魅力に迫りたいと思います。
歌詞全体のストーリー要約

- 自己認識の芽生え:幼い頃から「かわいい」を意識し、評価を求める気持ち。
- 特別な「君」の存在:「わたし」の可愛さに気づく「君」への特別な感情と独占欲。
- 揺るぎない確信と願い:相手に自身の可愛さを認め続けてほしいという強い思い。
登場人物と、それぞれの行動
- わたし: 自身の「かわいいところ」を自覚しており、それを「君」に認めてほしいと願っています。また、「君」が自分の「かわいい」を一番に理解していることに喜びを感じ、他の誰かの「かわいい」を認めることを拒否するような独占欲を見せています。
- 君: 「わたし」の「一番かわいいところ」に気づいている存在として描かれています。「わたし」はその「君」の認識を非常に高く評価しており、「すごい」「ラッキー」といった言葉で表現しています。
歌詞の解釈
イントロ:あれ気付いちゃいましたか?
冒頭のこの一言は、まるで読者(あるいは歌詞の中の「君」)に対して、何か特別なことに「わたし」が気づいたことを問いかけているようです。それは続く歌詞の内容から、「わたし」自身の魅力、特に「一番かわいいところ」についての気づきであると推測できます。この問いかけによって、聴き手は「一体何に気づいたんだろう?」という興味を持つと同時に、「あなたも気づいていますか?」という共感を求めるニュアンスも感じられます。
Verse 1:うまれて三十秒から評価 (おねがい)まで
生まれて間もない頃に聞いたであろう言葉は覚えていないけれど、きっと嬉しかっただろうと想像する「わたし」。そして、「今でもだいたいのことはかわってない」と言いつつ、「中身は変わっています」と自己認識の変化も示唆します。ここで重要なのは、「その辺でも評価 (おねがい)」という一節です。「わたし」は、内面の変化も含めて、今の自分を評価してほしいという気持ちをストレートに表現しています。生まれたばかりの頃の無垢な可愛らしさだけでなく、成長した今の自分自身の魅力も認めてもらいたいという願いが込められているのでしょう。
Pre-Chorus:携帯のアンテナを光らせてからねえ? ねえ? ねえ?まで
携帯電話のアンテナが光っていた時代を「超キュートなあの頃」と懐かしむ表現は、過去の自分自身に対する肯定的な感情を示唆しています。しかし、「アンテナって何っていってるようなわたし」というフレーズからは、少し幼い、あるいは世間知らずだった過去の自分を客観的に見ている様子が伺えます。それにも関わらず、「わたしに付き合ってくれるの好き」という直接的な言葉で、「君」への好意を伝えます。そして、「逆にでもわたしのどこが好き」と問いかけることで、「君」が自分自身のどこに魅力を感じているのかを知りたいという強い願望を露わにしています。「ねえ? ねえ? ねえ?」という畳み掛けるような問いかけは、「君」からの肯定的な反応を切実に求めている心情を表していると言えるでしょう。
Chorus:わたしの一番, かわいいところに気付いてるからわたしもそれに気付いたまで
この歌詞の中心となる部分です。「わたしの一番, かわいいところに気付いてる そんな君が一番すごいすごいよすごすぎる」というフレーズは、「君」が自分の最も魅力的な部分を理解してくれていることに対する、最大限の賛辞と感謝の気持ちを表しています。それは単なる外見的な可愛さだけでなく、内面的な魅力や個性も含めた「一番」であると考えられます。「そして君が知ってるわたしが一番かわいいの わたしもそれに気付いた」という一節は、他ならぬ「君」が認識している「わたし」こそが最も可愛く、そして「わたし」自身もそれに気づいたという、相互的な認識の高まりを示唆しています。「君」の肯定的な視線を通して、自己肯定感がより強固になっている様子がうかがえます。
Post-Chorus:だからそれかわいい, あれかわいいなんてからなんてありえない?まで
ここでは、「わたし」の独占欲が強く表れています。「だからそれかわいい, あれかわいいなんて 誰かわいい, それかわいいなんて 言わないで, わたし以外なんてやだ なんてありえない?」という畳み掛けるような言葉は、「君」には他の誰かの「かわいい」を認めてほしくない、自分だけを見ていてほしいという強烈な願望を示しています。これは、自己肯定感の裏返しとも言える、不安定さや独占欲の表れかもしれません。「わたし」にとって、「君」の評価は自分の「かわいい」を確立する上で非常に重要であり、その評価が他の対象に向くことへの強い拒否感が見て取れます。
Interlude:わたし気付いちゃいました
再び「わたし」が何かに気づいたことを示唆する短いフレーズです。これは、直前のポストコーラスでの感情の高まりを受けて、「君」の重要性や自分の独占欲に改めて気づいた、あるいは次のヴァースで語られる内容への導入であると考えられます。
Verse 2:毎日何十秒からお待ちしてます (おねがい)まで
毎日褒められたお菓子が他より甘く感じるという話を引き合いに出し、「わたしは言われたいタイプでして もっとわかりやすくていいんだよ お待ちしてます (おねがい)」と、ストレートに褒められたい願望を表現しています。Verse 1では内面の評価も求めていましたが、ここではもっと直接的な、分かりやすい言葉での称賛を期待しているようです。「毎日何十秒」という表現は、些細なことでも良いから、頻繁に褒めてほしいという気持ちの表れかもしれません。
Pre-Chorus:何しても どんな顔 見せててもから(ね ね ね)まで
「何しても どんな顔 見せてても いつも超キュートだって確信してるのは なんだかさ知らなかったタイプの運命の人なの?」という部分は、「君」の存在が「わたし」にとって、どんな時でも自分の可愛さを認めてくれる特別な人であることを示唆しています。「運命の人なの?」という問いかけには、「君」への強い期待と、もしかしたら恋愛感情のようなものが含まれている可能性も感じられます。しかし、続く「付き合ったりは無理ごめん (逆にでもそれより楽しいよ) (ね ね ね)」という部分では、恋愛関係ではない、より特別な繋がりを求めているような複雑な感情が垣間見えます。「付き合ったりは無理ごめん」という言葉は、友情以上恋愛未満の、独特な関係性を築きたいという気持ちの表れでしょうか。「それより楽しいよ」という言葉には、既存の枠組みにとらわれない、二人だけの特別な関係性への自信が感じられます。
Chorus:わたしの一番, かわいいところをよく見てるからわたしはそれに気付いたまで
ここでは、「よく見てる」という表現が「気付いてる」よりも強調されています。「君」が表面的な可愛さだけでなく、より深く「わたし」のことを見つめ、理解してくれていることへの喜びが伝わってきます。「そんな君がほんとに超ラッキーな人すぎる」というフレーズは、自分の魅力を深く理解できる「君」は幸運だと言っていると同時に、「わたし」自身もそんな「君」に出会えたことを幸運に感じているのかもしれません。「そして君が何年たってもそう思えるように わたしはそれに気付いた」という一節は、一時的な感情ではなく、未来永劫に「君」に自分の可愛さを認め続けてもらえるように、「わたし」も努力していこうという決意の表明と解釈できます。
Bridge:会えないときも, どんな表情してるかとかからほんとにかわいいっていってまで
会えない時でも「君」が自分のことを想ってくれていることを想像し、「気持ちわるいくらい想像しちゃう」という表現は、「君」への強い依存心や関心の高さを表しています。「それかわいいあれかわいいよって ほんとにかわいいっていって」というストレートな要求は、常に「君」からの肯定的な言葉を求めている「わたし」の心情を象徴しています。
Post-Bridge:わたしの一番, かわいいところに気付いてるからわたしもそれに気付いたまで
再びコーラスと同様のフレーズが繰り返されますが、ここでは「気付いてる」という点が強調されています。これは、「君」が自分の最も大切な魅力にしっかりと気づいてくれていることへの安心感や喜びを改めて表現していると考えられます。
Chorus:わたしの一番, かわいいところをよく見てるからわたしもそれに気付いたまで (繰り返し)
最後のコーラスでは、「よく見てる」という表現が再び強調され、より深い理解への感謝が示されています。そして、それが繰り返されることで、「君」の存在と認識が「わたし」にとってどれほど重要であるかが強調されます。
Post-Chorus:だからそれかわいい,あれかわいいなんてからなんてありえない?まで (繰り返し)
最後のポストコーラスも繰り返され、「わたし」以外の「かわいい」を認めないという強い独占欲が改めて示されます。これは、自己肯定感の強さとともに、他者からの評価への依存や、大切な存在を失うことへの不安の表れとも解釈できるでしょう。
モチーフ解釈:「かわいい」という言葉について
この歌詞全体を通して最も重要なモチーフは、タイトルにもある「かわいい」という言葉です。この「かわいい」は、単に外見的な愛らしさを指すだけでなく、内面的な魅力や個性、そして存在そのものの価値を含んだ、より広範な意味合いで用いられていると考えられます。
歌詞の冒頭近くで「嬉しかったはず」と過去の感情を推測したり、「中身は変わっていますので その辺でも評価 (おねがい)」と内面の変化への評価を求めたりする部分からは、外見だけでなく、成長した自分自身全体を「かわいい」と認めてもらいたいという気持ちが読み取れます。
また、コーラス部分で「君が知ってるわたしが一番かわいいの わたしもそれに気付いた」と歌われているように、「かわいい」は主観的な認識であり、「君」という特定の他者からの肯定的な評価を通して、「わたし」自身の自己肯定感が育まれていることがわかります。つまり、「君」にとっての「かわいいわたし」こそが、「わたし」にとっての一番の「かわいい」のです。
しかし、ポストコーラスでは、「わたし以外なんてやだ なんてありえない?」と、他者の「かわいい」を認めない強い独占欲が表れます。これは、「君」からの「かわいい」という評価を独占したいという気持ちの表れであり、裏を返せば、その評価を失うことへの不安感の表れとも言えるでしょう。
このように、「かわいい」という言葉は、この歌詞の中で、自己認識、他者からの評価、そして独占欲といった、多層的な意味合いを帯びた重要なモチーフとして機能していると言えます。それは単なる形容詞ではなく、「わたし」という存在の価値そのものを象徴する言葉なのです。
歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト
肯定的なニュアンスの単語:
- かわいい
- 嬉しかった
- 好き
- すごい
- すごすぎる
- ラッキー
- 楽しい
- 超キュート
- ほんとに
否定的なニュアンスの単語:
- 無理
- 気持ちわるい
- やだ
- ありえない
単語を連ねたストーリーの再描写
わたしは生まれた時からかわいいはず。君が好き。君はすごい、わたしの可愛いところに気づいてる。だから、わたし以外かわいいなんてありえない。君といるのは楽しい。でも、君が他の可愛いを言うのはやだ。ずっと、ほんとに可愛いって言ってほしい。