こんにちは!今回は、日常の小さな出来事と感情が交錯する歌詞「こたえあわせ」を読み解き、その奥に潜む意味を探っていきましょう。
歌詞全体のストーリー要約

- 日常の感謝と小さな後悔: 日々の感謝を述べつつ、素直になれなかった後悔が語られる。
- 別れとそれぞれの時間: 別れの場面と、その後のそれぞれの心象風景が描かれる。
- 内省と未来への眼差し: 過去を振り返りつつ、未来への期待や決意が示される。
登場人物と、それぞれの行動
- 僕: 感謝を伝え、謝りたいと思い、今日あったことを話したいと感じ、約束を覚え、褒められたいと思い、頑張りを認められたいと願い、未来への決意を語る。
- (君/あなた): 手を振って分かれ道へ行き、見えなくなる。
- ママ、パパ: 愛情を注ぐ存在として言及される。
この歌詞では、主に「僕」の視点から物語が語られていると考えられます。「君」または「あなた」と呼ばれる人物は、別れのシーンで登場し、「僕」とは異なる道を歩んでいるようです。
歌詞の解釈
冒頭:肯定的な感情と小さなわだかまり
「難しいことはわからないけど/笑い合えれば全部成功」という冒頭のフレーズは、複雑な理屈よりも、共に笑うというシンプルな喜びを大切にする心情を表していると言えるでしょう。「なんだかんだ涙も知る」という一節は、楽しいことばかりではなく、悲しい経験も共有してきた関係性を示唆しているかもしれません。続く「今日もどうも本当にありがとうなの」という言葉は、日常の中での感謝の気持ちをストレートに伝えています。
日常の風景と過去の記憶
二番の冒頭では、「オレンジ色に染まる近所も/空気が薄い早い朝も」と、何気ない日常の風景が描写されます。これらの風景は、おそらく「僕」にとって何らかの感情と結びついているのでしょう。対照的に、「傷ついたあの帰り道/石ころ蹴飛ばした」というフレーズは、過去の辛い経験を鮮やかに蘇らせます。うまくいかなかったことや、やりきれない思いを抱えていた状況が想像できます。
素直になれないもどかしさ
「だからね、ごめんね/ほんとは、すぐにね/謝りたかったんだ/ゆるして」という部分は、「僕」が過去のある出来事について、すぐに謝罪できなかった後悔の念を表していると考えられます。「ほんとは、すぐにね」という言葉には、その時の躊躇や、時間が経ってしまったことへの悔いが滲み出ています。「ゆるして」という切実な願いは、相手との関係を修復したいという強い思いを示しているでしょう。
別れとそれぞれの道
「それじゃあね、明日ね/手を振って分かれ道へ/見えなくなるまで/バイバイ」という一連のフレーズは、誰かと別れる場面を描いています。「手を振って」という行為は、表面的には穏やかな別れを装っているようにも見えますが、「見えなくなるまで」見送るという行為には、どこか寂しさや名残惜しさが感じられます。「分かれ道」という言葉も、それぞれの異なる道を歩むことを示唆しており、一抹の切なさを覚えます。
思い出の共有と個人的な感情
「今日あった事を話したいけど/全部ゆったら勿体無い」というフレーズは、親しい誰かと共有したい出来事があるものの、全てを話してしまうことへのためらいがあることを示しています。「勿体無い」という感覚は、話すこと自体が貴重なコミュニケーションであると考えているからかもしれません。続く「春風香る冒険/眠りに落ちる瞬間ってわからない」という二つのフレーズは、一見すると繋がりのないようにも見えます。「春風香る冒険」は、日常の中のささやかな喜びや新しい発見を指しているのかもしれません。一方で、「眠りに落ちる瞬間ってわからない」という感覚は、意識が徐々に薄れていく、捉えどころのない感覚を表しており、個人的な内面の世界へと意識が向かっているようにも感じられます。
再び現れる感情と記憶
「オレンジ色とさびしい気持ち」というフレーズは、先に登場した夕焼けのオレンジ色の風景が、今度は「さびしい気持ち」と結びつけられていることを示しています。同じ風景を見ても、その時の感情によって印象が変わることを表しているのかもしれません。「失敗した次の成功」という言葉は、失敗を経験として捉え、次へのステップに繋げようとする前向きな姿勢を感じさせます。「友達とした約束/忘れてないのは僕だけ?」という問いかけは、「僕」が大切にしている約束が、相手にとってはそうではないかもしれないという不安や懸念を表しているのではないでしょうか。
承認欲求と自己肯定感
「褒めてね 伸ばしてね/せめて抱きしめてね/僕は頑張ったんだ/今日はね」という部分は、「僕」の強い承認欲求が表れています。誰かに認めてもらいたい、励ましてほしい、そしてただ抱きしめてほしいという、切実な願いが伝わってきます。「僕は頑張ったんだ/今日はね」という言葉には、日々の努力を誰かに認めてもらいたいという、純粋な気持ちが込められているのでしょう。
未来への不確かさと決意
「どこまで行けるかは/わからないけどね/見ててね/見ててね/大丈夫 やれるから」というフレーズは、未来への不安を抱えつつも、前向きに進もうとする決意を示しています。「わからないけどね」という言葉には、正直な気持ちが表れていますが、「見ててね」と繰り返すことで、誰かに自分の成長を見守ってほしいという願いが感じられます。そして、「大丈夫 やれるから」という力強い言葉で、自分自身を励ましている様子が伺えます。
生命の根源と普遍的な感情
「宇宙の誕生/ママの、パパの愛情」という二つの事柄が並列に語られることで、個人的な存在の根源と、より大きな宇宙の始まりという壮大なスケールが対比されているように感じられます。親の愛情は、生命の誕生と同じくらい根源的で大切なものとして捉えられているのかもしれません。「上手くいかないな/はじめての感情」というフレーズは、経験したことのない感情に戸惑い、もがいている様子を表しているのでしょう。それは、成長の過程で誰もが経験する普遍的な感情かもしれません。
未来への願いと日常への回帰
「大人になっても/変わらないで居よう」という言葉は、純粋な気持ちや大切なものを持ち続けたいという願いを表していると考えられます。「離さないで居よう/忘れないで居よう」という繰り返しも、何か大切な絆や記憶を未来永劫守り続けたいという強い意志を感じさせます。「天に才と書こう」という表現は、才能が開花することを願う気持ちや、未来への希望を託しているようにも解釈できます。そして最後に「今日は早く寝よう」と、日常的な行動で締めくくることで、様々な感情や思いを抱えながらも、また明日へと繋がっていく日常の営みが示唆されているのではないでしょうか。
モチーフ解釈:「こたえあわせ」
タイトルの「こたえあわせ」という言葉は、この歌詞全体を通してどのような意味を持っているのでしょうか。
一つ考えられるのは、過去の出来事や感情に対する「こたえあわせ」です。「ごめんね」と謝りたい気持ちや、友達との約束を覚えているのは自分だけなのかという問いかけは、過去の行動や関係性に対する「こたえあわせ」を求めているようにも聞こえます。
また、日常の中で感じた様々な感情、例えば「さびしい気持ち」や「はじめての感情」といったものに対する「こたえあわせ」とも解釈できます。これらの感情が何であるのか、どう向き合えば良いのか、自分の中で答えを探しているのかもしれません。
さらに、「見ててね」と繰り返す言葉や、「褒めてね 伸ばしてね」という願いは、他者からの評価や共感を通して、自分の存在や頑張りの「こたえあわせ」をしたいという欲求の表れとも言えるでしょう。
この歌詞全体を通して、「僕」は過去、現在、未来における様々な出来事や感情について、「こたえあわせ」をしながら、自分自身と、そしておそらくは他者との関係性を見つめ直しているのではないでしょうか。タイトルは、そうした内省的な行為全体を象徴していると言えるかもしれません。
歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト
肯定的なニュアンスの単語:
- 笑い合えれば
- 全部成功
- 本当にありがとう
- オレンジ色(温かいイメージとして)
- 春風香る
- 成功
- 褒めてね
- 伸ばしてね
- 抱きしめてね
- 頑張った
- 大丈夫
- 愛情
- 変わらないで居よう
- 離さないで居よう
- 忘れないで居よう
- 才
否定的なニュアンスの単語:
- 難しい
- 涙
- 空気が薄い
- 傷ついた
- 帰り道
- 石ころ蹴飛ばした
- ごめんね
- 勿体無い(全部話してしまうことに対して)
- さびしい
- 失敗
- 忘れてないのは僕だけ?
- 上手くいかないな
単語を連ねたストーリーの再描写
難しい涙を知る帰り道、ごめんねと謝りたかった。別れ道へバイバイ。話したいけど勿体無い春風。オレンジとさびしい気持ち、失敗の次の成功。約束、僕だけ?褒めて、伸ばして、抱きしめて。頑張った今日、大丈夫、見ててね。愛情、上手くいかない初めての感情、変わらないで、離さないで、忘れないで、早く寝よう。
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