ちゃんみな「SAD SONG」の歌詞の意味を考察!ずっと一緒にいたいから

登場人物と、それぞれの行動

  • 「私」: 歌詞の語り手。「君」と出会い、強い愛情を抱くが、同時に別れの予感や関係の不確かさに不安を感じている。その想いを「歌」に乗せて表現し、「君」との関係が永遠に続くことを願っている。
  • 「君」: 「私」が想いを寄せる相手。「私」の不安をよそに、屈託なく笑う存在として描かれる。その正体については「お化けだったとかさ」という「私」の想像も差し挟まれるが、それでも「私」にとっては愛おしい存在。
  • 「you guys(聴衆)」: IntroやChorusの一部で「私」が語りかける相手。この歌が誰に向けたものかを示し、個人的な感情の吐露を普遍的な「歌」へと昇華させる役割を担う

歌詞の解釈

この楽曲「SAD SONG」は、そのタイトルとは裏腹に、あるいはタイトルに込められた複雑な感情を抱えながら、切実な愛と永遠への願いを歌い上げる作品です。一見すると別れの悲しみを歌った曲のように見えますが、歌詞を丹念に追っていくと、出会いの喜び、関係の儚さへの不安、そしてそれらを乗り越えようとする強い意志が、「歌」というモチーフを通して描かれていることがわかります。

本稿では、この「歌」が歌詞全体の中でどのような意味を持ち、登場人物の感情や関係性といかに深く結びついているかを軸に、歌詞を解釈していきます。

序章:聴衆への宣言と、避けられない別れの予感 (Intro)

This is a fucking sad song for you guys

It’s fucking hard to say it, goodbye

冒頭、楽曲は衝撃的な言葉で幕を開けます。「これは君たちのための、どうしようもなく悲しい歌だ」と。話し手である「私」は、まず聴衆(you guys)に対して、この歌が「SAD SONG」であることを宣言します。ここでの「fucking」という強調語は、単なる悲しみではなく、やり場のない怒りややるせなさ、どうにもならない状況への苛立ちといった、より複雑で生々しい感情のニュアンスを帯びています。

そして続く「さよならを言うのは、本当に辛い」という言葉。まだ物語の詳細は語られていませんが、この歌が「別れ」というテーマと深く関わっていることが示唆されます。しかし、この時点では誰が誰に別れを告げるのか、どのような状況なのかは不明です。ただ、強烈な悲しみと、別れを口にすることへの抵抗感が、聴き手に突きつけられます。

この導入部は、聴衆を楽曲の世界へと引き込むためのフックであると同時に、この歌全体を覆う基調となる感情――悲しみと、それに抗う心の葛藤――を提示しています。モチーフとしての「歌」は、まず「SAD SONG」としてその性質を明らかにされますが、物語が進むにつれてその意味合いは変化し、深まっていきます。

第一章:邂逅の輝きと、刹那の安らぎに潜む影 (Verse 1, Pre-Chorus)

Did you see that beautiful moon and stars?

前見た時より綺麗だ

Hello, how are you? はじめまして

ずっと会いたかったんだよ

君に会うまでの間

少しだけ心配してた

でも君はなんて事ないって顔してる

物語は、「君」との出会いの場面へと遡ります。夜空に輝く月や星の美しさが、以前よりも増して感じられるのは、「君」という存在が「私」の世界に現れたからでしょう。この美しさは、出会えたことへの純粋な喜びと高揚感を象徴しています。

「はじめまして、ずっと会いたかったんだよ」というストレートな言葉には、「君」への強い憧れと、出会うまでの期待感が滲み出ています。しかし同時に、「君に会うまでの間 少しだけ心配してた」という一節からは、この出会いが決して順風満帆ではなかったこと、あるいは「私」が何らかの不安を抱えていたことがうかがえます。それは、待ち焦がれる相手に実際に会うことへの緊張感かもしれませんし、もっと根源的な、関係が始まることへの漠然とした恐れかもしれません。

それに対して、「君」は「なんて事ないって顔してる」。この屈託のなさは、「私」の心配を和らげる一方で、二人の間に存在する認識の差異、あるいは「君」の掴みどころのなさを暗示しているようにも見えます。この対比が、後の展開における「私」の不安感をより際立たせる伏線となっています。

ずっとそばにいてよ

こんなご時世にさ

そんなわがままダメなのかな

Pre-Chorusでは、「私」の切実な願いが吐露されます。「ずっとそばにいてよ」という言葉は、出会えた喜びと同時に、失うことへの恐れを内包しています。「こんなご時世にさ」というフレーズは、具体的な時代背景を示唆するものではなく、むしろ不安定で、何が起こるかわからない世の中、あるいは二人の関係を取り巻く困難な状況を指しているのかもしれません。そのような状況下で「ずっとそばにいて」と願うことは、「わがまま」なのだろうかと自問する「私」の姿には、健気さと不安が入り混じっています。

この段階では、まだ「歌」は前面に出てきませんが、この出会いの感動と、そこから芽生える切ない願いが、後の「歌」を生み出す原動力となっていきます。

第二章:「夢」と現実の狭間で募る愛と、拭いきれない疑念 (Chorus, Verse 2)

This is a fucking sad song for you guys

It’s fucking hard to say it, goodbye

So, tell me ,この夢が

終わる時はそっと教えてね

This is a fucking love song for you guys

さよならはまだ先でしょう yeah

もう少しこうしてたい

できるだけ (できるだけ)

再びChorusが繰り返されますが、ここでは新たな側面が加わります。「SAD SONG」であり、「goodbye」を告げるのが辛いという感情はそのままに、「So, tell me, この夢が終わる時はそっと教えてね」という願いが挿入されます。ここで「君」との関係、あるいはこの幸福な時間は「夢」として捉えられています。夢はいつか覚めるもの、儚いものの象徴です。「私」は、この幸せが永遠ではないかもしれないという予感を抱いており、その終わりが来るのなら、衝撃を和らげるかのように「そっと教えてね」と願うのです。

しかし、続く歌詞は「This is a fucking love song for you guys」と転じます。悲しい歌であると同時に、これは紛れもない「愛の歌」なのだと。「私」は、この関係の儚さを感じながらも、「君」への強い愛情を否定しません。むしろ、その愛情があるからこそ、別れの予感が悲しみを増幅させるのです。「さよならはまだ先でしょう」と、別れを先延ばしにしたい気持ち、「もう少しこうしてたい できるだけ」という言葉には、一瞬でも長くこの「夢」の中にいたいという切実な思いが込められています。

ここでモチーフとしての「歌」は、「SAD SONG」であると同時に「LOVE SONG」でもあるという二面性を持ち始めます。悲しみと愛は表裏一体であり、この歌はその両方を内包しているのです。

本当のこと教えてよ

後で悲しみたくないの

例えば君の正体は

お化けだったとかさ

でもきっと今のところ

それでもいいってくらい君が好きだ

ほら見てそんな感じで笑うから

Verse 2では、「私」の不安がより具体的に語られます。「本当のこと教えてよ」という問いかけは、「君」という存在、あるいはこの関係の本質に対する疑念を示しています。「後で悲しみたくないの」という言葉は、予期せぬ形で終わりが訪れることへの恐怖の表れです。「例えば君の正体は お化けだったとかさ」という突飛な想像は、常識では理解できないほど「君」が魅力的であることの裏返しかもしれませんし、あるいは、この関係が現実離れしていて、いつ消えてもおかしくないという「私」の深層心理を反映しているのかもしれません。

しかし、そのような疑念や不安を抱えながらも、「でもきっと今のところ それでもいいってくらい君が好きだ」と断言します。「君」の正体が何であれ、この愛は揺るがないのだと。その理由として「ほら見てそんな感じで笑うから」と、「君」の屈託のない笑顔が挙げられます。その笑顔は、「私」にとって全ての不安を一時的に忘れさせ、愛しているという感情を再確認させるだけの力を持っているのです。

この部分では、「私」の心の中で「夢」と現実、「愛」と「不安」が激しく揺れ動いている様子が描かれます。そして、その不安定さこそが、この関係の切なさと愛おしさを深めていると言えるでしょう。

第三章:永遠という言葉への懐疑と、歌に託される不滅の祈り (Pre-Chorus, Chorus後半, Post-Chorus, Bridge)

変な話だよね

背が止まる頃に

永遠って言葉を疑うのかな

再びPre-Chorus。ここでは新たな問いかけがなされます。「変な話だよね」と前置きしつつ、「背が止まる頃に 永遠って言葉を疑うのかな」と。身体的な成長が止まり、大人になるにつれて、子供の頃は無邪気に信じていた「永遠」という概念に疑問を抱くようになる。これは、経験を重ねることで、物事には限りがあり、永続するものは少ないという現実を知るようになる、という普遍的な感覚を示唆しています。「君」との関係における「夢」がいつか終わるかもしれないという予感と、この「永遠」への懐疑は通底しています。

願うならこんな私が

死んでもこの愛だけは

せめて 残って

咲いてますように

今はただこんな私の

この音とこんな歌声を yeah

信じていて欲しいんだ

できるだけ

Chorusの後半部分は、この楽曲の核心とも言える部分です。永遠を疑いつつも、それでも「私」は願います。「願うならこんな私が 死んでもこの愛だけは せめて 残って 咲いてますように」。自分自身が消え去ったとしても、この「愛」だけは形を変えてでも残り、美しい花のように咲き続けてほしい。これは、単に「君」との関係が続いてほしいという願いを超えて、愛そのものの永続性、普遍性への祈りです。

そして、その祈りを実現するための手段として、「歌」が登場します。「今はただこんな私の この音とこんな歌声を 信じていて欲しいんだ できるだけ」。物理的な永遠が難しいと悟りつつある「私」にとって、自分の「音」と「歌声」こそが、この愛を伝え、残すことができる唯一の媒体なのかもしれません。だからこそ、「信じていて欲しい」と切に願うのです。この「歌」が、自分の真実の愛の証であり、それが「君」に届き、信じてもらえるならば、たとえ自分が死んだとしても、愛は歌を通して生き続けるかもしれない。

ここで、モチーフとしての「歌」は、単なる感情表現の手段から、愛を不滅のものへと昇華させるための祈りの器、そして永遠性を希求する媒体へと、その意味を深めています。

It’s hard to say it, I can’t say it

I never say it, I don’t want to say it

It’s hard to say it, I can’t say it

Post-Chorusでは、英語で繰り返される「言えない」というフレーズ。「さよなら」という言葉が、いかに「私」にとって重く、口にすることができないものであるかが強調されます。言いたくない、言えない、決して言わない。この強い拒絶は、別れを運命として受け入れたくないという強い意志の表れです。

Bridgeでは、Chorus後半の祈りが繰り返されます。

願うならこんな私が

死んでもこの愛だけは

せめて 残って

咲いてますように

今はただこんな私の

この音とこんな歌声を yeah

信じていて欲しいんだ

この繰り返しは、その願いの強さと切実さをさらに強調します。「私」にとって、「歌」に愛を託し、それが信じられることこそが、唯一の希望なのです。

終章:さよならへの抵抗と、歌による永遠の創造 (Chorus, Outro)

This is a fucking sad song for you guys

It’s fucking hard to say it, goodbye

So, tell me, この夢が

終わる時はそっと教えてね

This is a fucking love song for you guys

さよならはまだ先でしょう yeah

もう少しこうしてたい

できるだけ

クライマックスに向けて、再びChorusが歌われます。これまで積み重ねてきた感情――悲しみ、愛、不安、願い――が全てこのChorusに集約されます。「SAD SONG」であり「LOVE SONG」であるこの歌は、「夢」の終わりを予感しつつも、「さよならはまだ先でしょう」と別れに抗い、「もう少しこうしてたい」と願う「私」の心の叫びそのものです。

永遠って事にしておこうよ

このままずっと笑いあってよう

子供みたい永遠[とわ]なんてないとか

なんて言われても関係ない

もしもこの夢が覚めたとして

もう一度歌って叫んで

でも I cannot say it

さよならはできないから

Outroでは、ついに「私」の最終的な意志が示されます。「永遠って事にしておこうよ」。これは、現実から目を背けるための諦めや逃避ではありません。むしろ、「子供みたい永遠なんてないとか なんて言われても関係ない」と、周囲の声や現実的な困難さを跳ね除けてでも、「君」と共にいる時間を永遠だと信じ、そう在り続けようとする積極的な選択です。

そして、たとえ「もしもこの夢が覚めたとして」も、「もう一度歌って叫んで」と歌います。ここでの「歌う」「叫ぶ」という行為は、失われた関係や幸福を再び取り戻そうとする、あるいは新たに創造しようとする強い意志の表れです。夢が覚めても、歌があれば、また始められるかもしれない。歌が、二人を繋ぎ直し、新たな「夢」を見せてくれるかもしれない。

最終的に、「でも I cannot say it さよならはできないから」と、別れを明確に拒絶します。この歌は「SAD SONG」として始まったかもしれませんが、最終的には「さよなら」を言わないための、言えないための歌へと変貌を遂げたのです。

モチーフとしての「歌」は、この楽曲全体を通して、悲しみを表現する手段(SAD SONG)であり、愛を伝える手段(LOVE SONG)であり、永遠を願う祈りの媒体であり、そして最終的には、別れに抗い、関係を維持し、さらには再創造する力を持つものとして描かれています。それは、現実の厳しさや時間の残酷さに直面しながらも、愛の力を信じ、希望を捨てない人間の心の強さを象徴していると言えるでしょう。この「歌」がある限り、「私」と「君」の関係は、形を変えながらも続いていくのかもしれません。そしてその「歌」を聴く「you guys(聴衆)」もまた、その愛と祈りの証人となるのです。

歌詞の中で肯定的なニュアンスで使われている単語・否定的なニュアンスで使われている単語のリスト

肯定的なニュアンスで使われている単語

  • beautiful (美しい)
  • 綺麗だ
  • Hello (こんにちは)
  • はじめまして
  • 会いたかった
  • なんて事ない (平気な)
  • 好きだ
  • 笑う
  • 残って
  • 咲いてますように
  • 信じて
  • love song (愛の歌)
  • 笑いあってよう

否定的なニュアンスで使われている単語

  • fucking sad (ひどく悲しい)
  • fucking hard (ひどく辛い)
  • goodbye (さようなら)
  • 心配してた
  • わがまま
  • ダメなのかな
  • 終わる時
  • 悲しみたくない
  • お化け
  • 疑うのかな
  • 死んでも
  • It’s hard to say it (言うのが辛い)
  • I can’t say it (言えない)
  • I never say it (決して言わない)
  • I don’t want to say it (言いたくない)
  • 夢が覚めたとして
  • さよならはできない

歌詞全体のストーリー

「私」は「君」と出会い、その笑顔に惹かれ深く愛するが、この幸せが「夢」のように儚いものだと感じ不安を抱く。「私」は「歌」に永遠の愛を託し、たとえ死んでも愛が残ることを願い、別れを拒絶し「君」と笑いあっていたいと強く望む。

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